この記事は「我が子が咽頭軟化症と診断されました【vol.1】」の続きです。
名医の診断により、「咽頭軟化症」ということがわかりました。「治療を続けることで治る」そう伝えられ、まずは一安心。
ただ治療においては、睡眠時にサチレーションが70%台に落ちるということもあり、呼吸器マスクが必要不可欠ということになりました。
咽頭軟化症の治療は入院からのスタート
入院といっても、手術をしたわけではなく、おもな目的は「経過観察」と「呼吸器をつける練習」というものでした。
このキリン柄の呼吸器。見た目はかわいらしいのですが、なれるまでは設置もむずかしいので、はじめに先生から細かな指導があります。
圧力をかけた空気をチューブを使って鼻から気道に送り、気道を広げることで睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。
この期間、一緒に入院してくれたのは妻です。
決して広いとは言えないベッド、テレビも電話も自由にできない時間がおよそ1週間つづきます。
本当に大変だったと思いますが、嫌な顔1つせず、息子の面倒を見続けてくれたことは、きっとこの先忘れることはありません。
一方、この時のパパの役割は3つでした
朝の支度では、お姉ちゃんの長い髪を結ぶというのが、最大の難関でした。
「ママはもっとキレイに結ぶのに」と素直なことばを受け流しながら、鍛錬の時間が過ぎていたのはいい思い出です。
入院期間中は、娘が学校から帰ってくるとすぐに身支度をして車で毎日病院に向かいました。
入院病棟の中にはいろんな症状のお子さんがいるので、残念ながら小学生の娘は病室には入れません。
その代わり、病院に到着するなりママと入れ替わり、ママはお姉ちゃんのケアを。僕は病室で息子との時間を過ごしました。
病室に入ると、まだ息子は寝ていることも多く、こんな感じでぐっすり。
面会時間も1時間ちょっとぐらいだったと思いますが、帰る頃にはいつも起きて見送ってくれました。
必ず最後に行うことは拳で「がんばろうな」。これで僕もどれほどの勇気をもらったことか。
ママたちは病院のそばにある小さな公園で話をしたり、ブランコに乗ったりして遊んでいたようです。
こんな入院は、お姉ちゃんにとってもはじめての経験。
ママと一緒に寝るのが当たり前、ママが朝髪を結んでくれるのが当たり前。
そんなお姉ちゃんにとっての当たり前が、ある日突然無くなるのは、本当に不安だったと思います。
お姉ちゃんもがんばった!!
そんなお姉ちゃんを少しでも笑顔にしようと、毎日の通院途中、車内でママとパパの電話番号を意味不明なメロディに乗せた歌をつくって盛り上がり。笑
時計が切り変わる瞬間を当てるゲームをしたり、こんななんでもないことをしながら、意外と笑いの多い時間を過ごすことができました。(楽しかったかどうかは、後で娘に聞いてみたいと思います笑)
入院中のおトイレやお風呂の時間は、保育士の資格を持った看護師さんが代わりに見てくれたようです
短い時間ですが、我が子を預けるのは不安ですよね。「保育士の資格を持っている」ということで安心して任せられたようです。
病室は大部屋だったので隣に他のお子さんも入院しています。
1歳は過ぎていたかと思う大きな子でしたが、その子はCPAPをつけるのをとても嫌がっていました。
子供が大きくなればなるほど、CPAPをつけるのを嫌がる傾向にあるそうです。
CPAPの使い方から、息子への取り付け方法まで何度も何度も繰り返し練習することで3日〜4日でなれてきたようです。何よりも妻が1番嬉しそうに話をしていたことは・・・
CPAPをしていると、呼吸がすごくラクみたい
普段の呼吸が苦しそうだったこともあり、このCPAPをつけることで本人が一番ラクになったんじゃないかと思います。
妻もこの身動きが取れない環境に1週間の缶詰状態。本当に大変だったと思いますが、みんなで助け合い、がんばったおかげで予定通り退院できることになりました!
この時、先生からこんなお話もありました。「CPAPに慣れてくると、気道も広がり、呼吸が正常にできるようになる。そうなるとミルクの飲みもよくなるよ!」と。退院のよろこびと、息子の回復にもうワクワクが止まりません。
自宅でCPAPのある生活
無事7日間の入院を経て、いよいよ日常が戻ってきました。
妻と息子に心からのおかえりなさい。自然と心から湧き出る「ありがとうの気持ち」。
こんなに晴ればれした気持ちになれたのは、この2つが明確になったからだと思います。
この2つがわかったことで、先が見えなかった長いトンネルに出口の光が見えたように感じました。
良くなるために自宅で行う治療はこの2つだけです。
習慣になるまでは、これが結構大変な作業になると思います。
もしCPAPを嫌がる年齢だったと考えると・・・。本当に早い診察をオススメします。
また、気道を広げようとCPAPを使っているので、風邪でこじらせてしまう可能性があるとのことだったので、なるべく外出は控えていました。
さすがに、CPAPの機械を持ってお泊りはできませんでした。もし途中で機械が壊れてしまったらと考えるとなかなか難しいのが正直なところです。
ただ、CPAPにはGPS機能のオプションもあり、どこで使っているかというのも希望があれば分かるように設定可能です。どうしてもいう場合はメーカー担当者に連絡を取りながらであれば、泊まりも可能です。
「大丈夫だろう」とそのままにしていたら
睡眠中の突然死(SIDS)
寝ている間に無呼吸状態がながく続く場合、SIDSを引き起こす原因になるといわれているようです。
あくまでも可能性ですが、こんなことが頭をよぎる瞬間が幾度となくありました。
過度なストレスで鬱状態に
ママにの精神衛生上もあまりよくないですよね。
あまり、不安な気持ちをそのままにしているのは良くないかもしれません。きっと大丈夫でしょ。と我が家のように思う場合でも、心のどこかでは心配しているものです。
最後に
この2つを身にしみて感じることができました。息をすることも、手が動くことも、起き上がることも、全部が全部あたりまえじゃない。そして家族全員で向き合い、前に進めたからこそ乗り越えられたのだと思います。この経験で家族の絆がより一層深まり、何が起きても大丈夫という覚悟が確信に変わったように思います。
今回我が家に起きたことは、決して自慢できることではないかもしれません。でも我が家にとっては
これこそが今回経験したことで得られたわが家の財産です。
もし少しでも不安に思うことがあるのなら、「大丈夫だろう」と判断せずに1日でも早く診察をうけてあげてください。
早ければ早い分、かわいい我が子の可能性を広げてくれるはずです。
少しでもあなたと、あなたの大切な子が元気になることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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